名無の意見禄

実態のない人間の徒然草

読書記録8:一神教と戦争

 部屋の大掃除と大学の授業で読書の時間がめっきり減ってしまった。去年は正直暇の極みみたいな大学だったので,大学生ってこんなに忙しいんだと実感した。とはいえ看護学校などの医療系学校や栄養学科程忙しくはないので,弱音は吐いてられない。

 この本は実は去年受験勉強の気休めに読もうと思っていたのだが,いくら大学が暇だからってそんな余裕はなかった。本読むより勉強がスタンスだったので,結果”積読”状態になって埃をかぶっていたのを受験が終わったタイミングで読んでみようと一週間位かけてちょっとずつ読み始めた。早速感想に移りたいと思う。

 まぁ中田先生は非常に危なっかしい。これが第一印象だ。確かに主張はわからなくもないが,イスラムに偏りすぎている。それでいて,御本人が中立のようにふるまっているから余計怖い。時折それを橋爪先生が諭すように反論するといった流れが多々あった。ここに宗教学の恐ろしさがあると思う。あくまでも宗教は”学問”の一種としての範囲までにしておかないと,本当にどっぷりつかって人生を破滅しかねない。一線を引いて第三者,客観的視点で研究をすることが大事なのだと見ていて思った。

 ただ,日本のイスラム教について学ぶべきだという中田先生の意見には私も賛同する。日本人は宗教というものに疎いし、オウム真理教統一教会,創価学会の影響もあってか宗教を嫌悪する人も多い。それに教育基本法第9条によって公共機関が運営する教育機関では宗教教育というものが禁止されている。

第9条 (宗教教育):文部科学省 (mext.go.jp)

よって殆どの人は自分から知ろうと思わなければ知らない世界となる。まぁ,世界史でちょっとはやるだろうけどあくまで歴史的事実と文化作品だけであって教義の内容までは教えられない。理由は上記の通り,公立や市立では宗教教育は法律によって禁止されているからだ。以上の様な背景があって日本人は宗教というものに疎くなった。しかし,そうも言ってられないご時世となった。グローバル化が進む中で海外の人々が大切にしている宗教というものを少なからず理解し,配慮しなければならなくなったのだ。これが出来ないと殺傷事件になりかねなくなる。フランスの出版社「シャルリー・エブド」がイスラム教徒によって襲撃されたのは記憶に新しい。

シャルリー・エブド襲撃事件 - Wikipedia

このような事件も未然に防止するにはやはり,学問的な観点での宗教教育は必須だろう。特にイスラム教徒とのトラブルは非常に厄介だ。前述の「シャルリー・エブド襲撃事件」の他にもイスラムとその他の民衆とのトラブルから発展した事件は数えきれない程ある。今後アフターコロナの時代になれば国際交流がもっと盛んになる。そうしたら日本でもこのようなトラブルが起こる日はそう遠くないのかもしれない。それを防ぐ為にも他宗教特に理解と配慮が必要なイスラム教を学ぶべきだという意見に賛同したい。

 貴書ではキリスト教イスラム教の比較が主な内容となっている。この2つの宗教は所謂姉妹宗教と言われ,起源をたどると同じ場所に行きつく。それなのに考え方や捉え方が根本から違うというのは非常に面白い所であった。やはり起源が同じとて,地形や歴史背景が違うと価値観が違ってくるようだ。その違いから,現代の問題に対してどのように対処していくのか,どう解決していくのかを後半に述べている。そこから,人と人の価値観にもろに影響を及ぼす宗教は切っても切り離せないものであるのだと気づかされた。一見関係ないような国際経済に関してもにもイスラムの規範や価値観が付いて回るし,何より意外だったのは原子爆弾に対する考え方や戦争に対する考え方にまで宗教から派生した価値観が影響してくるというものだ。そこにキリスト教が戦争に強かった理由,逆にイスラム教がイマイチだった理由も含まれていた。

 最後に言いたいのは,私達日本人もその価値観の波に飲まれているということだ。日本は敗戦を機にアメリカの統治下におかれ、西洋主義的な考えが跋扈するようになった。今でもそれは続いており,英語重視であったり,アメリカの大学を出たと言えば向こうでは「え?そこなのww」と言われるような場所でもちやほやされる。何かあればアメリアメリカとアメリカを神聖視しているような感じがする。(最近はアメリカから韓国に代わってきたような気もしないでもないが。)しかし,このアメリカ教が非常に良くない。西洋方式の価値観をいい加減外して,客観的な目で見てみた方がいいような気がする。そうしたら,自然を差別はなくなるだろうと思う。

 思ったことを殴り書きしているだけなので非常に長くなった。私は史学科から法学部に転向したが,それでも歴史や宗教が出来る限り学びたいと思う。時間と資金が許すのであれば史学科にもう一度行きたいまで思っている。法律と歴史を合わせて,現代の社会問題の提起や解決策を提示,啓蒙できる人間になりたい。

 

 

一神教と戦争 (集英社新書)

一神教と戦争 (集英社新書)