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自由になりたい学生の雑記ブログ

「性別X」読んでみた。

 

ー目次ー

 

 たまにやってくる読書感想文(?)のお時間です。

今回はずっと気になりつつも,書店で中々見つけられず四苦八苦していた作品をようやく読めたので,ちょっと紹介していこうと思います。

 みやざき明日香先生の「性別X」(講談社)です。

これを選んだのはまぁ,紛れもなく自分がXジェンダーだから()。

中々同じ人に会えず,他の人がどんな感じなのか知りたかったと言うのが大きい。

後,やっぱり今後自分がアラサー,30代という所謂周りがライフステージを変える年になった時,身に起こるであろうマイノリティならではの事象を知っておきたかった。

最後一人で生きていく為の弁護士資格,士業資格であるとはいえ,やはり不安はある。

(志望動機が必然的に事実上のカミングアウトになる為,相手にも聞けない)

というわけでずっと気になっていたのだ。

 

1:一発目の感想

 

 あー。なんかスタンスとしては大体僕と同じですはい。

 

ここまで同じ人おるんか?と言う感じ。

 

 まぁ,当方ガチでそういうのが無理なタイプのAセクではあるが,その点を除いては大体同じ。体に関する自己評価とか,安楽死の話とか,反出生の話とか…

仕舞いには器官を切除したいと動いたところまで一緒だった()

やはりそういう人って多くて,ただ表明していないだけなんだろうな。

 

 表明したら「いずれ気が変わるよ!」とか言われて酷い時は「自分も欲しくなかったけど~」と自分の経験つらつら述べられて端的に説教の水攻めになるので,言いにくいという風潮は確かにある。正直この思想誘導的圧力は気持ち悪すぎて反吐が出るところであるがここはもう思想の違いなので,これ以上は争わないことにする。

 

 ここで法律的な話をすると母体保護法3条により,健康な未産婦は基本的に摘出手術を受けることが出来ない。(但し適合手術は除く)男性はなんなら未婚でも所謂不妊手術が出来るので,これって平等原則違反じゃねぇか!憲法違反だ!と法学徒の自分が騒ぎ散らしているが,恐らく大人しく海外で手術を受ける方が遥かに得策。憲法訴訟!と言いたいところだが,流石に世間に殺されそうなので,自分も大人しく公共機関に質問書送りつけて見解示させた上で金貯めて海外で手術を受けることにする…

ソノタメニシホウシケンガンバル…

 

2:環境に流される

 いやほんとに…環境に流されるって怖いのよね。

自分も流された過去があります。

それでクソ程痛い目を見たので,もうしないと思いたいですが…。

なんか,自分だけ違うということに慣れていなかったり劣等感を抱くと本当に焦るのだ。

自分だけ子供な気がして,自分だけが置いていかれているのでは?とか思うと恥ずかしくなる。周りは皆大学生謳歌しているのに自分だけ浪人で,受験生で,一人予備校で勉強している感じを想像して頂けるとわかりやすいかもしれない。

 ここで,「Going my way!」を会得していれば変わるのかもしれない。

 

 ただ,中々これが難しい。

でも一つだけ言えることがある。

 

焦って流された判断は大抵上手くいきません(自分がそうでした)

 

ライフプランに関わることは慎重な判断と検討を…

 

3:相手の変化

 自分が変わらなくても相手が変わる事もある。

本著もそこから始まった。(実際どうだったのかは読んでみて欲しい)

その時,受け入れられるかは非常に大きいのではないだろうか。

人は生きていれば変わるもの。

決断次第では道を別つこともあるであろう。

それは自分もそうだし,相手もそう。

それに相手が本心を言っているのかもわからない。

本音とは違うかもしれない。

自分と絶対的に全てが同一である存在はいないからこそ,違いを受け入れなければ始まらない。

ただ,全てを受け入れるべきかとはまた別問題。

どうするかは,結局自分で考えるしかないのが難しい所かもしれない。

 

だから,僕はあまり人に肩入れしないようにある程度距離を取っている。

 

結局最後は一人で生きざるを得なくなることを覚悟しないといけない。

だから,その時に人に迷惑をかけないように全力で備えなければならないし,それが人と違う道を歩むことへの責任だと思っている。

 それは,他者を人と違う生き方に巻き込むべきではないというのが根底にあり,本人の気が変わったら自分が再構築したくても即リリースするのが,少数派のあるべき姿なのかなと漠然と思っているからじゃないかな。

 ちょっと厳しすぎるよなとも思うが…今はそういう存在でなければ,社会から理解が得られない,溶け込めないとも思っている。まぁそんなんだから病むんだと言われたらそうなのかもしれないが…。

 ただまぁやっぱり,同じ気持ちだと思っていた相手が実は全然違った時のショックにはちょっと耐えられるか分からない。顔には出さないだろうけれど(出してはいけないだろうけれど),多分その日から生活は荒れる()。そんな気がする。理解していた存在がいきなり理解できない異質の存在になったような感覚というのはやはりいつ経験してもしんどいものだ。それがこれからきっと増えるんだろうなと思うと,ちょっとこれから先が憂鬱になってしまう。

 

4:まとめ

 普通に抗うって難しい!理解されないし,下手したらお説教という中々メンタル綱渡りな属性である。とにかく生きにくい。それに一番は孤独との戦いである。

 マイノリティは大体何万人いる!とはよく言われているが実際の所,出生率が低下している!少子化だ!と言っても,結局身の回りでは皆結婚しているし子供がいるしみたいな感じで,数字としては多くても周りでは見つけにくく,孤独になりやすい。

 これは,他の分野でも応用が利く策ではあるがある程度自分の自己が確定してきたら,そういったコミュニティに顔を出して,そこ専門の繋がりを作った方がメンタルには優しいのかもしれない。著者がバーやオフ会に行きまくっていたように,積極的に繋がる方法を模索して,コミュニティを形成する方が,自己を責めたりするよりは余程健全なのだと思う。